日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽
クラシック音楽、と言われるとやはり誰でも知っている海外の作曲家による作品を思い浮かべますよね。
日常の場面でアレンジを変えて使われることも多いですし、ごく自然に多くの人が一度は耳にしていてすぐに名前を挙げられる作品は多く存在します。
それでは、日本人作曲家によるクラシック音楽の作品で知っているものを挙げてください、と言われてさっと答えられる方は少ないかもしれません。
ここでは日本人の作曲家が手掛けたクラシック音楽に注目、代表的な作品をピックアップしています。
日ごろからクラシック音楽を愛聴されている方々の中でも、あまり日本人の作品は聴いたことがないな、という方にもおすすめです。
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日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽(21〜30)
ホルン協奏曲「開花の時」細川俊夫

クラシック音楽と言われると、ずっと古い時代に作られたものというイメージしか浮かばないという方も多いでしょう。
今回紹介する『ホルン協奏曲』は、2010年に日本の現代音楽家である細川俊夫さんが作曲した、2010年代に生まれたクラシック音楽作品です。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、バービカン・センターとコンセルトヘボウ管弦楽団の共同依属による作品であり、2011年の2月の初演では、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏が行われました。
余談ですが、細川さんは1982年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団創立百周年を記念する作曲コンクールにて優勝しており、その際に優勝者に与えられるはずだった完全新作の委嘱作品作曲の仕事が諸事情によって流れてしまったというエピソードがあり、そういった経緯を踏まえて生まれた作品と考えると細川さんの本作に対する思い入れはとても強そうですよね。
ピアノ協奏曲第3番『神風』大澤壽人

主に1930年代から1950年代にかけて活躍した名作曲家、大澤壽人さんが1938年に作曲したピアノ協奏曲『ピアノ協奏曲第3番変イ長調』は『神風協奏曲』という副題を持つ作品ですが、1937年に東京からロンドンまでの100時間を切る記録飛行に成功したという朝日新聞社の航空機「神風号」が由来とされています。
現在では日本人作曲家による独創的な作品として評価されていますが、当時は先鋭的な作風だったせいか評価は芳しいものではなく、再演が実現したのは初演からなんと65年ぶりとなる2003年のことなのですね。
1930年代という時代を考えても非常にモダンな作風であり、ジャズの影響やルーツと言える日本音階の導入の試みなど、このような作曲家が歴史に埋もれていたという事実にクラシック音楽ファンでならずとも複雑な心境を抱いてしまいますよね。
大澤さんはボストン交響楽団で日本人として初めて指揮を担った存在でもあり、もしも彼が正当に評価されて長生きもしていたら……と残念に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
バレエ音楽「生命の律動」須賀田礒太郎

西洋近代の管弦楽法と日本の伝統音楽・雅楽を組み合わせた独自の作品を制作した作曲家・須賀田礒太郎さん。
吹奏楽曲から歌曲まで幅広い音楽性を持ちあわせています。
日本のクラシック音楽をあまり聴いたことがない方にもオススメしたい作品は『バレエ音楽「生命の律動」』です。
東洋と西洋の音楽の魅力を同時に味わえるオーケストラサウンドが印象的。
オリエンタルな雰囲気を持つ「城」や「神社」などの建造物をイメージさせる壮大な作品です。
富士山多田武彦

「タダタケ」という愛称で親しまれ、男声合唱曲を中心として多くの合唱曲を手掛けたことで知られる多田武彦さん。
京都大学法学部を卒業してみずほ銀行の前身である富士銀行で活躍したという超エリートな多田さんですが、大学在学中から男声合唱団の指揮者を務めていたそうです。
今回、取り上げている『富士山』は1956年に作曲された楽曲で、多田さんにとっては2作目となる合唱曲なのですね。
楽曲構成としては5つの楽章から成る作品で、全編が無伴奏、つまりア・カペラで歌われます。
作詞は福島県出身の詩人であり、蛙をテーマとした詩を多く書いたことでも著名な草野心平さんの手によるもの。
ちなみにこちらの『富士山』は決して簡単に歌いこなせるようなものではなく、所属している合唱団でこの作品を取り上げる機会があれば、楽曲の持つダイナミックな展開についていく技術はもちろん、詩に書かれた情緒が豊かな日本古来の景色などをしっかりとイメージした上で表現することを心がけましょう!
左方の舞と右方の舞早坂文雄

早坂文雄の代表作と言われています。
雅楽に基づいた作品で、左方・右方というのは雅楽の様式です。
序盤のピッコロによる龍笛を思わせる雅な旋律が印象的です。
左方のテーマと右方のテーマが交互に現れ展開されて、最後は静寂の中に消えていきます。
パロディ的な4楽章深井史郎

この曲を初めて聴いて、戦前の日本で作られたと分かる人がどれ程いるでしょうか。
こんなしゃれた響きの旋律が戦前の日本にあったのです。
深井は日本のラヴェルとも言われています。
西洋の作曲家の手法を積極的に模倣しながら作曲したらすんなり完成してしまったらしいのですが、異文化をすんなりと受け入れる深井の柔軟さとその中でオリジナリティを出すセンスの高さが表れています。
交響詩「曼荼羅の華」山田耕筰

山田耕筰は日本における西洋音楽の草分け的な存在です。
一般的には「赤とんぼ」などの童謡のイメージが強いと思いますが、本格的な交響曲もしっかり残しています。
この曲は山田の親友が父親の死を予感した際に書いた詩にインスピレーションを受けて書かれた曲です。






