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【まずはこの1枚】ジャズの名盤。必聴のアルバムセレクション

ジャズという音楽ジャンルに対して、皆さまはどのような印象をお持ちでしょうか?

何となくオシャレ、もしくは敷居が高そうといったイメージがあるかもしれませんね。

多くのサブ・ジャンルも存在するジャズの歴史は簡単に語れるものではありませんし、もちろん古い時代だけの音楽というわけでもないのです。

今回は、興味はあるけど何から聴いていいのか分からないといった方に向けて、まずはこの1枚、といったジャズ史に残るスタンダードな名盤の数々をピックアップしてみました。

ぜひ、チェックしてみてくださいね!

【まずはこの1枚】ジャズの名盤。必聴のアルバムセレクション(1〜10)

Spiritual Unity

Ghosts: First VariationNEW!Albert Ayler

「Spiritual Unity」という邦題だけでも、宗教的な高揚感と精神性の深さを予感させるフリージャズの金字塔です。

1960年代に最も過激な表現を押し進めたテナーサックス奏者、アルバート・アイラーさんが1964年に録音し翌年リリースした本作『Spiritual Unity』は、ゲイリー・ピーコックさんのベース、サニー・マレイさんのドラムという最小編成のトリオでありながら、ジャズの常識を根底から揺さぶる衝撃的な一枚となりました。

ゴスペルや行進曲に由来する素朴なテーマから始まりながらも、瞬く間に調性もリズムも解体され、絶叫と祈りが交錯する音の奔流へと突入していくサウンドは圧巻の一言。

インディペンデント・レーベルESP-Diskから世に放たれた本作は、発売当初こそ賛否両論を巻き起こしましたが、時を経て「フリージャズの聖典」として不動の評価を獲得しています。

ジャズを聴き慣れない方には難解に感じられる瞬間もあるかもしれませんが、理屈抜きでこの音響体験に身を委ねる喜びを、ぜひ味わってみてほしいですね。

Kind Of Blue

So WhatMiles Davis

Miles Davis – So What (Official Video)
So WhatMiles Davis

「モダン・ジャズの帝王」と呼ばれ、1940年代から1990年の初頭まで、先進的なスタイルでジャズの可能性を追求し続けた天才、トランペット奏者のマイルス・デイビスさん。

ジャズのみならず、あらゆる音楽に与えた圧倒的なインパクトや影響をここで語るのは不可能ですが、ジャズの歴史を知る上で欠かすことのできない作品を多く生み出し、その中にはジャズの歴史を揺るがすような問題作も多く含まれています。

今回は、モダン・ジャズの傑作中の傑作にして、マイルスさんの代表作の1つとして必ず名前の挙がる『カインド・オブ・ブルー』を紹介しましょう。

コード進行にとらわれないモード・ジャズとされる手法を用いた本作は1959年にリリースされ、世界中で1,000万枚というジャズ・アルバムとしては異例のセールスを記録した作品です。

ジョン・コルトレーンさんやキャノンボール・アダレイさん、ビル・エヴァンスさんなど、ジャズ界にその名を残すアーティストが参加、すべての要素が歴史的な名盤のために集まったのではないかと感じさせますね。

一流のミュージシャンたちによる、自由な即興演奏から生み出される音楽は限りなく美しく、永遠に聴いていたいと思わせる魅力であふれていますよ。

The Black Saint and the Sinner Lady

Track A- Solo DancerNEW!Charles Mingus

ベーシストとしてだけではなく、時代の先を行く優れた作曲家としても高く評価されているチャールス・ミンガスさんは、黒人としての誇りと複雑なアイデンティティを音楽に投影し続けた偉大なアーティストでした。

1963年にリリースされた『The Black Saint and the Sinner Lady』は、彼の最高傑作とされる1枚です。

バレエのための音楽として構想された本作は、聖人と罪人という二面性をテーマに、ゴスペルやブルース、クラシックの要素を融合させた壮大な組曲として展開します。

11人編成のバンドによる緻密なアンサンブルと即興演奏が織りなす音楽は圧巻で、ジャズの枠を超えた芸術作品といえるでしょう。

ミンガスさん自身の精神分析医がライナーノーツに参加しているという点からも、作品の深い内省性がうかがえますね。

ジャズの奥深さを体感したい方には、ぜひ聴いていただきたい名盤です。

【まずはこの1枚】ジャズの名盤。必聴のアルバムセレクション(11〜20)

Moanin’

Moanin’Art Blakey & The Jazz Messengers

なんといっても、今回紹介するアルバムの表題曲であり、ファンキー・ジャズという音楽ジャンルの中でも屈指の人気曲『Moanin’』のかっこよさは、ジャズ初心者でもすぐに理解できるのではないでしょうか。

細かい連打を特徴とする「ナイアガラ・ロール」という奏法で知られる、人気ジャズ・ドラマーのアート・ブレイキーさんが、自身のバンドであるジャズ・メッセンジャーズを率いて1958年にリリースした『Moanin’』は、名門ブルーノート・レコードのカタログの中でも人気の高い「4000番台シリーズ」に名を連ねるジャズ・アルバムの傑作です。

冒頭で触れた表題曲はピアニストのボビー・ティモンズさんが作曲したもので、日本でもCM曲などに起用されたこともありますから、ファンキーなリズムとクールかつ軽やかなタッチのピアノのフレーズを聴いたことがある、という方もいらっしゃるはず。

アルバム全体的に、跳ねるビートのジャズの醍醐味がこれでもかと詰まった名曲ばかりが収録されており、聴いているだけで小粋な気分にひたれちゃいますね。

ちなみに、アート・ブレイキーさんは大の親日家で思わず心が温まるエピソードも多くありますから、興味のある方はぜひチェックしてみてください!

The Köln Concert

Köln, January 24, 1975, Part IKeith Jarrett

キース・ジャレットさんの『The Köln Concert』は、ジャズピアノの可能性を広げた名盤です。

1975年にドイツで録音されたこのアルバムは、即興演奏の神髄を感じさせてくれます。

ジャレットさんの繊細なタッチと大胆なフレーズが織りなす音世界は、聴く人の心を揺さぶります。

録音時のエピソードも興味深く、不調のピアノを逆手に取った演奏は圧巻。

ジャズファンはもちろん、音楽を通して感動したい方にぜひ聴いてほしい1枚。

まるでピアノが踊っているかのような自由な演奏は、きっとあなたの心に響くはずです。

Cool Struttin’

Cool Struttin’Sonny Clark

ジャズの歴史に輝く名盤、ソニー・クラークさんの『Cool Struttin’』をご紹介します。

1958年、ブルーノート・レコードからリリースされたこの作品は、ハードバップの神髄を体現しています。

クラークさんのピアノを中心に、アート・ファーマーさんのトランペットやジャッキー・マクリーンさんのサックスが絶妙に絡み合う、素晴らしい演奏が楽しめます。

タイトル曲『Cool Struttin’』をはじめ、どの曲も洗練されたグルーヴ感が魅力的。

クールでありながら情熱的な音楽に、きっと心を奪われることでしょう。

Saxophone Colossus

St. ThomasSonny Rollins

『サキソフォン・コロッサス』とは、ジャズ・サックス奏者の巨人、伝説的な存在にふさわしいアルバム・タイトルですよね!

1956年にリリースされ、ジャズの歴史において非常に重要な1枚として評価されている本作は、先述したようにジャズ・サックス奏者の第一人者であるソニー・ロリンズさんの代表的な1枚であり、1950年代が生んだモダン・ジャズの最高峰です。

2010年には80歳を記念したツアーをおこなうなど、まさにジャズ界の生き字引といえるロリンズさんの若き日の姿が浮かび上がってくるような、豪快かつ温かみのある演奏が存分に楽しめる、まさに基本中の基本と呼ぶべきアルバムでしょう。

ロリンズさん自身がイギリスの伝承歌曲を基に作り上げた『St. Thomas』は、アルバム収録曲の中でもとくに人気の高い楽曲で、ジャズのスタンダードナンバーとして多くのミュージシャンにカバーされ続けています。

そういった点も踏まえて、テナー・サックスの音色を楽しみたいと思われている方や、これからジャズの世界に足を踏み入れようとされている方へ最初に聴いてほしい作品として大推薦させていただきたいですね!